桜が咲く直前の雨の4月。
ぼくは、東北の、ある地方都市の、
コンサートや、催事が行えるような、
多目的ホールの駐車場にいた。
あのときのぼくは、車の中で、
運転席に座り、ぼんやりと、
フロントガラスを踊る雨粒をみていた。
天からまっすぐ降りて来た雨粒は、
フロントガラスに命中した後、
一旦はじけて、水滴になり、
それから、他の水滴と結合し、
大きな粒に成長して、流れ落ちていく。

他にすることもなく、
生き物のようなその動きを、
ただ、眺めていた。
少しだけ、窓を開けると、
ひんやりとした空気とともに、
冬と春と雨が、混じった匂いがした。
時間は、お昼過ぎ。
建物の中にある喫茶店から、
ランチを食べ終わったOLたちが、
色とりどりの傘をさして、
はしゃぎながら、
ぼくの車の前を通っていく。
彼女たちの笑顔は、
ぼくの中で、緊張しながら、
じっとしながら出番を待つ、
何かのエネルギーを刺激し、
はやる心を煽っているようだ。
ぼくは、彼女を待っているのだった。
10代の頃に知り合い、
お互い、一目ぼれのような恋に堕ち、
付き合い始め、愛し合い、
そして、あっけなく終わった。
ぼくが、フラれたのだった。
それから、15年以上の年月を経て、
ひょんなことから、再会することになり、
こうして、ぼくは、
待ち合わせ場所にいるのだった。
既に、お互い、家庭を持ち、
大きい子供もいて、しかも、
一回終わっている恋なのだから、
どうにかなるもんじゃないはずだけど、
過去に経験した様々なメモリーが、
心の奥底から、ここぞとばかりに溢れ出し、
当時の時空を再現してしまう。
ぼくは、あの頃の気持ちに、
戻ってしまっているような気になり、
少し、後悔したことを覚えている。
・・・ヤバイ、
また、好きになっちゃったら、
どうしよう。。。
あのときは、そんな気持ちに翻弄されながら、
早春の雨の日に、彼女を待っていたのだったな、と、
今日、なぜか、風呂に入ろうと、
服を脱いでいるときに思い出した。
なぜ、その時空の、その光景を思い出したのか、
自分でもよくわからないけれど、
もしかすると、それは、
昨日から今日にかけての気温の変化に、
春の予感を感じたから、かもしれない。
ところで、話の途中で、
急に現実に戻って来てしまったので、
後の展開はナゾになってるけれど、
このとき、待ち合わせ場所に、
彼女は来てくれたでしょうか?
それは、ひみつ(笑)
なーんてね、ちゃんと来てくれたよ!!
とても、嬉しくて、
舞い上がったことを覚えている。
でも、舞い上がった分だけ、
その後、切ない思いもするんだよね(笑)
そして、この経験を経て、
ぼくは、偉大な気付きをしてしまうのです。
まあ、この話は、またいつか。
#もうかなり前の話であり、
#まだスピな気付きの前の話なので、
#倫理に欠く男だ!とのクレームは、
#お断りします(笑)
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ぼくがまだ恋愛してたときのころの話
